不思議な色がでている。
何がどうなるとこういう色がでるんだろうか。
作家にとっては下世話な質問なのだろうなぁと思いつつ「なんでこういう色になるの」などと聞いてみた。
すると「どうしてこうなったか実はよくわからない」という答えが返ってきた。
そうなのか、と思う。
「陶芸は表現ではない」と慶子さんが言っていた。
そうなんだろうな、と、最近、ようやくわかってきた。
意図してやっていることがあらわれている、というわけではないのだ。
そういうものなのだなぁ。
この碗を買ってくれたTさんが、また次の日にも来てくれて「これで黒米のごはんを食べたら色が綺麗で」と嬉しそうに話してくれた。
この紫に、黒米ごはん、すごく合うな。
器って、そういうものだな。
美味しくごはんが食べられて嬉しい、のが器。
そっか。
と思って、黒米ごはんを炊いてみた。
この碗に盛るのを想像しながら。
飯碗 2700円
7月9日(土)〜16日(土) 『郡司庸久 郡司慶子 展』
常に新しいことに挑戦している郡司さん。
「釉薬に動きのあるものをいろいろ試してきて、ようやく形になってきた」
とお話してくださいました。
遊び心のある器が並びます。
ぜひお運びください。