「粉引」と書いて「こひき」とか「こびき」と読みます。
土ものの器で、粘土で形成した素地の上に、白泥を化粧掛けし、その上から釉薬をかけて焼いた器です。土ものならではの土味のある質感と、白化粧の温かみのある白が、磁器にはない、粉引ならではやわらかな雰囲気を作るので、人気のある器です。
一口に「粉引」といっても、粉引の白には色巾があって、真っ白なものから、灰色によっているもの、黄色っぽいもの、ピンクがかったもの、などなど、いろいろあります。
これは作り手が、どういう白を作りたいか、どういう粉引を目指しているか、というのがあらわれているからで、「粉引」と呼ばれるものであっても、その作り手の数だけ「粉引」のバリエーションがある。
ただの白い器、ではないところが、粉引という器の奥深さ。
器を選ぶ時、そこに、色としての「白」を求めるのであれば、粉引という器にはこだわらないほうがいいかもしれません。そこには「白磁」という選択肢も「白釉」という選択肢もあるからです。
でも、「粉引」という器を楽しみたいのであれば、白い器としての粉引ではなく、粉引がもつ質感や表情を求めて選ぶと、自分の求めている粉引に出会える。
と思います。
お気に入りの粉引に出会ってくださいね。