一枚板のオイル仕上げのトレー。
使っていくと、どんどんオイルが抜けて「白茶け」てしまいます。
画像は、ウチのトレー。おおよそ何年も手入れなんぞとは無縁にしていたもの。(上が栗、下がくるみ。)
写真に撮ると、無惨な感じ・・ですが、毎日使っているので、実は、全然気にならない(のは、我が家が無頓着だから、というのもある)。
が、たまには手入れをしてあげましょか、ということで、今日は、オイル仕上げの木のトレーの手入れの仕方です。
まず、画像でもお分かりいただける通り、黒い染みになっている部分があります。
木のトレーに、ついうっかり、鉄瓶を置きっぱなしなしたり、お茶をこぼしっぱなしにしたりすると、鉄だの漆だのが溶け出して酸化し、色を付けてしまいます。
ので、まずは、それ彫刻刀などで削ってしまいます。
こんな感じ。このトレーの場合、彫り跡が荒いものなので、大きめの彫刻刀で削ってみました
が、それでも削り跡が目立ちますね。ま、いいのです。
この染み跡などを、ヤスリなどで磨いてしまいますと、「磨かれてしまって」せっかくの雰囲気が変わってしまうので削ることにしたのです。
彫り跡のあるトレーなどは、木自体は本当にやわらかいので、力を入れて削ったりすると、がっつり削れて、穴になってしまったりするので要注意です。
削る時は、やさしく、力はいれず、控えめに、削ります。
削った跡を、200番~400番の紙ヤスリで周りとなじませます。
その後、全体を、なんとなーく適当に、やりすぎないように、毛羽などを拭き取るように1000番~2000番のヤスリをかけます。(これはしなくてもOK)
そうしたら、家にある食用油をウェスなどで塗込みます。
今日はオリーブオイルを。
ちなみに、作り手はエゴマ油と蜜蝋を混ぜたものを塗っている方が多いです。
が、家にある食用油で全然問題ありませんので、何でもいいのです。ニオイが気にならなければ。
すりすり。すりすり。
画像だと、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、なかり油でベトベトになります。
適当に塗込んで、乾かします。
適当に乾かしたら、乾いた布で拭き上げて完了です。
ちなみに、油はなかなか乾きません。
けっこう長い間、塗った油が染みでる感じがあります。(入荷したてのトレーなども、結構油ギッシュ♪なのですよ。)
ですから、油を塗ってしばらくの間は、トレーに大切な紙類などは置かないほうがいよです。紙が油を吸ってしまうので。
塗ってしばらくは、和紙や新聞紙など、余分な油を吸収してくれる紙に包んで収納したほうがよいですよ。(でも仕舞いっぱなしにすると、紙がトレーに張り付きますのでご注意ください)
油を塗ったトレーを置く場所にもお気をつけください。布や無塗装の板の上などに置くと、下にも油が移って染みます。
気長に、付き合ってやってくださいね。
ついでにスプーンもお手入れ。右が塗ったもの。左が塗っていないもの。
ついでに、拭き漆の黒檀のお箸もお手入れ。右が塗ったもの。左が塗っていないもの。
箸などで、拭き漆などのものは、どうしても漆がはげてきます。
漆を塗り直しという方法もありますが、オイルを塗込むだけでも十分。
こうして、お手入れすれば、ずーっとお使いいただけますので、ぜひ、お試しください。
じゃーん。今日、オイルを塗ったものたち。
新聞紙の上で、しばらく乾かして、また拭いて、完了。