◆作家ものと窯ものと陶磁器メーカーの違い 3
前回までに、
作家ものと窯ものと陶磁器メーカーの違い 1
作家ものと窯ものと陶磁器メーカーの違い 2
としてきましたが、今回はその最終回。
作家の器づくりです。
作家は「自身の中にある何かを形にしたい」という強い思いがあってのものづくりをしています。
「思い」を実現するための原材料を選び、そのための器形成技術を選び、そのための焼成方法を選びます。非常に手間のかかる古典的技法を用いていることもありますし、逆に、時代の最先端の技法を用いていることもあります。
仕上がった器は、量産品には見られない個性や雰囲気をもち、使う人の心を動かすものが多い一方、作品として雰囲気を大切にしているために、使う際に多少の手間を必要とするものもあります。
また、できる数が少なく、均一性は重視していないことが多いため、同じ作り手の同じ器でも、大きさが不揃いであったり、雰囲気が異なったりします。
作家ものには量産品では手に入る「使い勝手のよさ」や「均一性」を求めるのは難しいかわりに、作家ものならではの「ゆらぎ」があります。そのゆらぎは「人」のもつ温かみの現れで、使い手にとって心地よいものであることが多いものです。
それが作家のつくる器です。
作 家もののうつわは「少々お高い」と思われがちですが、お手頃なものも沢山あります。
日々の食卓に作家の器をとりいれると、お料理がもっと楽しくなったり、 目にも、よりおいしく感じることができます。
作り手の思いの伝わる作家ものならではの器を普段の食卓でこそ楽しんでもらえるといいなぁ、と思います。